こんな理由で休職していいのかな…。
みんな我慢して働いているのに。
休職に「立派な理由」はいらないよ。
基準は他人じゃなくて、自分が働ける状態かどうかだけなんだ。
休職を考えたとき、いちばん先に浮かぶのは「私なんかが休んでいいのか」という気持ちかもしれません。
周りも同じようにつらいはずだ、自分だけ甘えているのではないか。
そう思って、限界まで働き続けてしまう看護師さんは本当に多いです。
先にお伝えすると、休職に「正しい理由」も「立派な理由」も必要ありません。
本記事では、実際に多い休職理由と、診断書が出る基準、休職後に選べる道までまとめました。
自分の状態を客観的に確かめる材料にしてくださいね。
もし「もう限界かもしれない」と感じているなら、働き方を変える選択肢もあります。
休職するかどうか決めていない段階でも、相談だけならいつでもできますよ。
\ひとりで抱え込まないで/
休職の手続きや傷病手当金について知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。
いま休職中で「このあとどうするか」を考えている方は「休職明けに選べる3つの道」から読んでみてください。
▼この記事を書いた人
看護師ゆま
4人に子を持つ母親。
新人時代はブラックな働き方で全身に蕁麻疹を発症!
育休産休を取得して職場復帰するも、時短勤務の肩身の狭さを痛感…
看護師の休職理由で多い6つ

看護師が休職する理由は、大きく6つに分かれます。
- 適応障害・うつなどのメンタル不調
- 慢性的な疲労・体調不良
- 腰痛・頸椎症などの身体的な不調
- 妊娠・出産に関わるもの
- 家族の介護
- ハラスメント・人間関係
1.適応障害・うつなどのメンタル不調
もっとも多いのが、心の不調による休職です。
日本看護協会の調査では、病気で1か月以上の連続休暇を取得した職員がいた病院のうち、約8割にメンタルヘルス不調の職員がいたと報告されています。
夜勤による生活リズムの乱れ、命に関わる責任、人間関係。
看護師は複数のストレス要因を同時に抱えやすい職業です。
適応障害は「心の風邪」と呼ばれることもあり、誰にでも起こり得ます。
2.慢性的な疲労・体調不良
明確な病名がつかなくても、動けなくなる状態はあります。
夜勤明けに眠れない、休みの日も回復しない、食欲がない。
こうした症状が続く場合、身体からの警告と考えたほうがいいですよ。
3.腰痛・頸椎症などの身体的な不調
移乗介助や体位変換の繰り返しで、腰を痛める看護師は少なくありません。
椎間板ヘルニアや頸椎症で休職に至るケースもあります。
身体の不調は目に見えにくく、周囲に理解されにくいのが難しいところです。
4.妊娠・出産に関わるもの
切迫流産や妊娠悪阻など、妊娠に伴う体調不良での休職です。
夜勤や重量物の取り扱いが負担になる時期でもあります。
母性健康管理の観点から、医師の指導があれば勤務を軽減してもらえる制度もあります。
5.家族の介護
親の介護が必要になり、勤務を続けられなくなるケースです。
40代後半から50代にかけて増える理由になります。
介護休業制度を使えば、対象家族1人につき通算93日まで休めます(3回まで分割可能)。
休職とは別の制度なので、職場に確認してみてください。
6.ハラスメント・人間関係
パワハラや無視、過度な指導などによって出勤できなくなる場合があります。
本人の問題ではなく、職場環境の問題です。
この場合は休職と並行して、相談窓口の利用も考えてほしいところです。
「こんな理由で休職していいの?」への答え

休職をためらう理由は、症状の重さではありません。
「自分より大変な人がいる」という思い込みです。
休職に「立派な理由」はいらない
休職の目的は、働けない状態から回復することです。
理由が重いか軽いかを、誰かと比べる必要はありません。
基準になるのは「他人と比べてどうか」ではなく「自分が働ける状態かどうか」だけです。
骨折した人が休むことを、誰も甘えとは言いません。
心の不調も、身体の不調も、扱いは同じです。
よくある3つの思い込み
相談を受けていて、よく耳にする言葉があります。
- 「みんな我慢しているのに、自分だけ休めない」
- 「診断書が出るほどではない気がする」
- 「休んだら迷惑をかけてしまう」
どれも真面目な人ほど強く感じる思いです。
ただ、限界を超えて働き続けた結果、突然出勤できなくなるほうが、職場への影響は大きくなります。
早めに休むことは、結果的に周囲を守る選択でもありますよ。
休んだほうがいいサイン
次のような状態が続いているなら、一度立ち止まってほしいところです。
- 朝、身体が動かない日がある
- 出勤前に涙が出る
- 食事が喉を通らない
- 眠れない、または眠りすぎる
- ミスが増えている
- 休みの日も仕事のことが頭から離れない
とくに「ミスが増えている」は見逃せません。
医療現場でのミスは、患者さんの安全に関わります。
自分を守ることが、患者さんを守ることにもつながります。
迷惑をかけるという発想を手放す
人員配置は、本来は管理者の仕事です。
誰か1人が倒れたら回らない体制なら、それは職場側の課題になります。
自分の健康を犠牲にして支える義務は、誰にもありません。
とはいえ、職場に相談しづらい状況もあると思います。
休職も転職も、まだ決めていない段階で構いません。
第三者に状況を話すだけでも、頭の中が整理されますよ。
\ひとりで抱え込まないで/
【年代別】看護師の休職理由の傾向

休職の理由は、年代によって変わります。
自分の状況を客観的に見る手がかりにしてください。
20代:メンタル不調が中心
新人期は、理想と現実のギャップに直面する時期です。
日本看護協会の病院看護実態調査によると、2024年度の新卒採用看護職員の離職率は8.4%でした。
慣れない環境と責任の重さが重なり、適応障害を発症するケースが目立ちます。
前年より改善したとはいえ、10人に1人近くが1年以内に離れている状況です。
経験不足は時間が解決しますが、心の消耗は放置すると回復に時間がかかりますよ。
30代:業務量と家庭の両立
リーダー業務や後輩指導が加わり、責任が一気に増える年代です。
同時に、結婚・妊娠・育児といったライフイベントも重なります。
仕事も家庭も手を抜けず、疲弊してしまう方が多くいます。
40代:体力の低下と子育て
夜勤明けの回復が遅くなり、身体の限界を感じ始める時期です。
子どもの受験や思春期と重なるケースも増えます。
腰痛など身体的な理由での休職も、この年代から目立ってきます。
50代:介護と自身の健康
親の介護が本格化し、勤務との両立が難しくなる年代です。
自身の持病や更年期症状が重なる場合もあります。
無理を続けるより、働き方そのものを見直す時期とも言えますよ。
診断書はどんなときに出る?

休職には、原則として医師の診断書が必要になります。
「自分の状態で出してもらえるのか」と不安な方も多いはずです。
診断書が出るかは医師の判断
診断書は、医師が「就労が困難」と判断したときに発行されます。
症状の名前がついていなくても、生活や仕事に支障が出ていれば対象になり得ます。
自己判断で「軽いから無理だ」と諦めず、まず受診してみてください。
受診時に伝えるとよいこと
診察は短時間なので、事前に整理しておくと伝えやすくなります。
- いつから、どんな症状が出ているか
- 睡眠と食事の状態
- 仕事でどんな支障が出ているか
- 職場で何が起きているか
- 今どうしたいと思っているか
メモに書いて持参する方法もおすすめです。
うまく話せなくても、紙を見せれば伝わりますよ。
何科を受診すればいい?
心の不調なら心療内科・精神科、身体の不調ならその症状に応じた科になります。
迷う場合は、まずかかりつけ医に相談する形でも構いません。
診断書の手続きや傷病手当金については、別記事で詳しく解説しています。
休職できる期間はどのくらい?

どのくらい休めるのかは、回復を考えるうえで気になる点です。
適応障害の場合は3〜6ヶ月が目安
適応障害での休職期間は、症状が中等度なら3〜6ヶ月程度が一つの目安とされています。
症状の程度や環境によって変わるため、医師と相談しながら決める形になります。
焦って復帰すると再発しやすいので、期間は余裕を持って考えてくださいね。
期間は就業規則で決まっている
休職できる上限は、勤務先の就業規則に定められています。
勤続年数によって期間が変わる規定も多く見られます。
自分が何ヶ月まで休めるのかは、早い段階で確認しておきましょう。
休職中の収入
多くの職場では、休職中の給与は支給されません。
その代わり、健康保険から傷病手当金を受け取れる場合があります。
金額や申請方法は、別記事でまとめています。
休職を決める前に確認したい5つのこと

休職に入る前に、押さえておくと安心な項目を確認しておきましょう。
- 就業規則の休職期間
- 休職中の給与の扱い
- 傷病手当金の受給条件
- 社会保険料の支払い方法
- 復職の手続きと条件
就業規則は必ず読む
休職に関するルールは、すべて就業規則に書かれているはずです。
勤続年数による期間の違いや、延長の可否も確認しておきましょう。
人事課に問い合わせれば、写しをもらえる場合もあります。
社会保険料は自己負担が続く
休職中も社会保険には加入したままなので、保険料の支払いは続きます。
給与から天引きできないため、振込などで自分で納める形が一般的です。
毎月の負担額を、事前に把握しておくと慌てずに済みますよ。
復職の条件も先に聞いておく
復職には、主治医の診断書や産業医の面談が必要な場合があります。
どんな手続きが必要かを先に知っておくと、復帰の見通しが立てやすくなります。
休職中の過ごし方で意識したいこと

休職に入ったあと、どう過ごすかで回復の速さは変わるものです。
最初の1ヶ月は「何もしない」でいい
休職直後は、心も身体も消耗しきった状態です。
この時期に資格の勉強や転職活動を始めると、かえって回復が遅れます。
眠りたいだけ眠り、食べられるものを食べる。
それだけで十分な時期があると考えてくださいね。
生活リズムを少しずつ戻す
体調が落ち着いてきたら、朝起きる時間を一定にすることから始めます。
夜勤生活で崩れたリズムは、戻すのに時間がかかります。
日光を浴びる、短い散歩をするなど、小さな習慣が効いてきますよ。
復職の準備は焦らずに
主治医から復職の許可が出る頃には、通勤の練習を始める方も多くいます。
図書館やカフェで数時間過ごせるかを試す方法もあります。
段階を踏めば、復帰後のつまずきを減らせますよ。
人と比べない
SNSを開けば、働いている同期の姿が目に入るでしょう。
回復のペースは人それぞれなので、比べる必要はまったくありません。
つらいときは、意識的に情報から距離を置くのも選択肢です。
休職と退職、どちらを選ぶべき?

限界を感じたとき、辞めるか休むかで迷う方は多いです。
判断の材料を整理します。
| 休職 | 退職 | |
|---|---|---|
| 身分 | 職員のまま | 失う |
| 収入 | 傷病手当金(条件あり) | 失業給付(条件あり) |
| 社会保険 | 継続される | 自分で手続き |
| 復帰先 | 元の職場がある | 新しく探す |
| 戻る自由 | あり | なし |
迷ったらまず休職
休職なら、回復してから改めて考え直せます。
一方、退職は取り消せません。
判断力が落ちている状態で退職を決めると、後悔につながりやすくなります。
「辞める」という選択肢は、回復してからでも消えません。
退職を選んだほうがいい場合
ハラスメントが続いている、職場が改善する見込みがない。
そうした状況なら、戻ること自体がリスクになります。
その場合も、体調が回復してから動くほうが安全ですよ。
どちらを選ぶにしても、他の職場の条件を知っておくと判断しやすくなります。
\選択肢を知っておく/
職場の理解が得られないときの対処法

残念ながら、休職に理解のない職場も存在します。
「休むなら辞めてほしい」と言われた
体調不良を理由に退職を強要するのは、適切な対応とは言えません。
その場で返事をせず、いったん持ち帰ってください。
労働局の総合労働相談コーナーは、無料で相談を受け付けています。
診断書を受け取ってもらえない
診断書の提出を拒否されるケースもあります。
その場合、提出した記録が残る方法を選んでおくと安心です。
人事課や看護部長など、別のルートに提出する方法もありますよ。
そこまでして戻る必要があるか
休職を認めない職場に、無理に戻る必要はありません。
体調を守れない環境なら、離れるという判断も十分に合理的です。
看護師免許があれば、働ける場所は必ずほかにあります。
回復してから、落ち着いて次を選んでくださいね。
休職を言い出せないときの考え方

理由がはっきりしていても、言い出せない方は多くいます。
師長に直接言えないなら
直属の上司に話しづらい場合、別のルートがあります。
- 看護部長や人事に相談する
- 産業医との面談を申し込む
- 診断書を先に用意して提出する
診断書があれば、説明は最小限で済むはずです。
言葉で説明するのがつらいときほど、紙の力を借りてください。
引き止められたときは
「今は人手が足りない」と言われる場面は珍しくありません。
ただ、休職制度は就業規則に定められた仕組みなので、条件を満たせば利用できます。
回復を優先する姿勢を、はっきり伝えて大丈夫ですよ。
相談できる外部の窓口
職場に相談しづらい場合は、外部の窓口も使えます。
- 都道府県の労働局・総合労働相談コーナー
- こころの健康相談統一ダイヤル
- 産業保健総合支援センター
ひとりで抱え込まず、使えるものは使ってくださいね。
休職明けに選べる3つの道

休職はゴールではなく、次を考えるための時間です。
復帰の形は、3つに分かれます。
- 元の職場に復帰する
- 部署異動して働き方を変える
- 転職して環境を変える
1.元の職場に復帰する
慣れた環境に戻れるのが最大の利点です。
ただし、休職の原因が職場そのものにあった場合、同じ状況が繰り返される可能性があります。
復帰前に、勤務条件の調整が可能か相談しておきましょう。
2.部署異動して働き方を変える
同じ病院内でも、部署によって忙しさや雰囲気はまったく違います。
夜勤のない外来や、比較的落ち着いた病棟への異動を相談する方法があります。
転職ほど大きな決断をせずに環境を変えられるのが利点です。
3.転職して環境を変える
職場の体質そのものが原因なら、環境を変えるのが根本的な解決になります。
日勤のみのクリニック、訪問看護、介護施設など、選択肢は思っているより多くあります。
休職中に情報だけ集めておくと、復帰後の選択肢が広がりますよ。
体調が回復してから動くのでも遅くはありません。
ただ、求人を眺めておくだけでも「ここしかない」という思い込みから抜け出せます。
\働き方の相談から始めてみる/
焦って決めないことがいちばん大切
休職直後は、判断力が落ちている状態です。
この時期に大きな決断をすると、後悔につながりやすくなります。
まず回復を優先し、動けるようになってから考えてください。
復職後に再発しないための3つの工夫

休職から戻ったあと、同じ状態を繰り返さないことが大切です。
1.元の働き方に戻さない
復帰してすぐ、休職前と同じ勤務量に戻すのは危険です。
夜勤の再開時期、残業の可否、担当患者数。
主治医の意見をもとに、段階的に戻す形を職場と相談しましょう。
2.相談できる人を作っておく
職場に1人でも状況を知っている人がいると、負担はかなり違います。
師長や産業医など、体調の変化を伝えられる相手を決めておきましょう。
3.限界のサインを覚えておく
休職前に出ていた症状は、再発時にも同じように現れます。
眠れない、食欲が落ちる、涙が出る。
自分のサインをメモしておくと、早い段階で気づけますよ。
無理を続けて再発するより、早めに手を打つほうが回復も早くなります。
休職経験は転職に不利になる?

休職した経歴が、その後の転職に影響するのかは気になるところです。
履歴書に休職期間を書く義務はない
履歴書に記載するのは、在籍期間です。
休職していた事実そのものを書く欄はありません。
在籍中の出来事なので、経歴に空白ができるわけでもありません。
聞かれたら正直に、簡潔に
面接で健康状態を確認されることはあります。
その場合は「体調を崩して休職したが、現在は回復している」と簡潔に伝えれば十分です。
症状の詳細まで話す必要はありません。
休職経験があるからこそ選べる働き方
一度限界を経験した方は、自分に合う働き方の基準を持っています。
夜勤の可否、残業の量、人間関係の距離感。
これは働き続けるうえで、大きな財産になりますよ。
転職サイトの担当者に条件を伝えれば、無理のない職場を探してもらえます。
看護師の休職理由についてよくある質問
休職を考えるときによくある疑問にお答えします。
人間関係が理由でも休職できますか?
人間関係のストレスが原因で不調が出ていれば、休職の対象になりますよ。
診断書には症状が記載されるため、理由そのものを細かく説明する必要はありません。
休職理由は職場に詳しく伝える必要がありますか?
診断書に記載された内容以上を伝える義務はありません。
プライベートな事情まで話す必要はないと考えて大丈夫です。
休職したら復帰しづらくなりませんか?
休職は就業規則に基づく制度であり、利用したこと自体を責められる筋合いはありません。
制度として認められた権利なので、利用したこと自体が不利になるわけではありません。
休職中に転職活動をしてもいいですか?
禁止されているわけではありませんが、まず回復を優先してください。
体調が整ってから動くほうが、冷静な判断ができますよ。
診断書がもらえなかったらどうすれば?
セカンドオピニオンとして、別の医療機関を受診する方法があります。
医師によって判断が分かれる場合もあるためです。
まとめ:看護師の休職理由に優劣はない

看護師の休職理由について整理します。
- 多いのはメンタル不調・体調不良・腰痛・妊娠・介護・人間関係
- 休職に「立派な理由」は必要ない
- 基準は他人との比較ではなく、働ける状態かどうか
- 年代によって理由の傾向は変わる
- 診断書は医師が就労困難と判断すれば発行される
- 休職明けには復帰・異動・転職の3つの道がある
真面目な人ほど、限界まで自分を責めてしまいます。
休むことは、看護師を辞めることではありません。
続けるために立ち止まる時間だと考えてください。
回復したあと、働き方を選び直す道もあります。
情報を集めておくだけでも、気持ちは少し軽くなりますよ。
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