看護師辞めたいけど、退職は何ヶ月前に伝えれば良いの?
上司に引き止められたらどうしよう…退職はどう切り出す?
看護師が退職を考えるとこんな悩みが出てくるよね。
退職を上司に伝えるタイミングや切り出し方を間違えると、強く引き止められ中々辞められないケースは多いです。
私は新卒から3次救急の病院に就職し、その後回復期リハビリ病院に転職した経験があります。
また、これまで多くの看護師仲間からリアルな退職エピソードを聞きました。
そんな現場の声を元に、この記事では、看護師が退職を伝えるタイミングや切り出し方について詳しく解説します。
この記事を読むと、円満退職の秘訣が分かり、退職の申し出から最終出勤日まで強いストレスを感じずに過ごせます。
退職は3ヶ月前までに伝えるのが目安なので、周りとの関係を崩さず、スムーズに辞めたい人は最後までご覧ください。
看護師の退職は何ヶ月前に伝えれば良い?

看護師が退職するとき目安は3ヶ月前までに伝える
看護師が退職を伝えるのは「3ヶ月前」が目安です。
看護の現場は人手不足のため、急な退職は周囲に迷惑をかけてしまいます。
早めに退職を伝えることで、業務の引き継ぎや人員確保の時間が取れるため、職場の負担も減らせます。
- シフト調整や人員補充のための時間が確保できる
- 業務の引き継ぎがスムーズにできる
- 余裕をもって退職前の事務手続きを進められる
- 有給をきちんと消化できる
円満に退職するためには、引き継ぎやシフト調整の期間も踏まえ、余裕を持って伝えると安心です。
3ヶ月前に退職を伝えるのが非常識ではない理由
退職を3ヶ月前に伝えるのは看護師業界でも一般的なタイミングであり、非常識ではありません。
- 業務の引き継ぎに必要な期間がしっかり確保できる
- シフトの再調整にも余裕がある
3ヶ月あれば後任者への引き継ぎが計画的にできるため、現場の混乱を防げます。
急な人手不足を避けられるため、上司や同僚への業務の負担も最小限におさえられます。
3ヶ月前の退職申し出は、職場への配慮が感じられる誠実なタイミングです。
法律上は14日前に伝えても退職できるが…
法律(民法第627条)では、退職の意思は14日前に伝えればOKとされています。
たとえ就業規則に「◯か月前に申し出ること」と書かれていても、法的には14日前で問題ありません。
とはいえ、看護師の職場では引き継ぎやシフト調整が必要です。
急に退職者が出ると、残された看護師の業務負担が増えてしまいます。
職場とのトラブルを避けたいなら、就業規則に沿って早めに伝えるのがおすすめです。
まずは就業規則を確認しよう
退職を考えたら、まずは就業規則の「退職に関する項目」を確認します。
そこに申し出のタイミングについて記載がない場合、3ヶ月前を目安に退職の意思を伝えましょう。
ただし、就業規則通りに申し出ても人手不足などを理由に、退職を引き伸ばされるケースがあるのが現実です。
そのため、退職のタイミングや伝え方はしっかり準備してから報告するのが重要です。
詳しくは次項で解説します。
看護師が円満退職するためにはいつ退職すれば良い?

基本は年度末まで働いてから退職
看護師は年度末まで働いてから辞めるのが一般的で、病院側にも受け入れられやすいタイミングです。
年度末は人事異動、定年退職などが重なり、元々人の動きが多い時期。
そのため、病院側も年度末での退職を想定して採用計画を立てています。
欠員補充もしやすく退職がスムーズに進みやすいので、辞めるなら年度末がおすすめです。
退職を避けた方が良い時期
円満に辞めるために、以下のような時期は退職を避けた方が無難です。
- プリセプター、委員会などを担当しているとき
- 人員が減るとき(長期休暇、産休育休の職員がいる)
- 繁忙期
円満に退職するためには、職場への負担が大きい時期は避けましょう。
人手が足りない状況での退職は、職場に迷惑をかけやすく、印象も悪くなってしまうためです。
例えば、プリセプターや委員会の担当中は、後任者への負担が大きくなりやすく、引き継ぎに時間と手間がかかります。
また、産休・育休に入る職員がいるときや、長期休暇で人が一時的に減る時期も避けた方が無難です。
美容脱毛クリニックなど繁忙期が予測できる職場は、忙しい時期を避ける配慮が必要です。
職場にできるだけ負担をかけないタイミングを選ぶと退職も受け入れられやすくなります。
看護師が退職するまでの流れ

看護師が退職するまでの流れは以下の通りです。

1.就業規則を確認し、退職日と申し出日を決める
まずは就業規則を確認し「◯ヶ月前までに退職を申し出るべきか」をチェック。
その上で、迷惑になりにくい時期を選び、退職日と退職を申し出る日を決めましょう。
2.直属の上司に退職の意思を伝える
退職の意思は直属の上司に伝えます(病棟勤務なら病棟看護師長へ)。
退職を伝える時の切り出し方や注意点は次項で詳しく解説します。
3.上司と相談して退職日を正式に決定する
退職日と最終出勤日を上司と話し合って正式に決定します。
後日トラブルにならないよう、決まった内容などは書面に残しておくと安心です。
4.退職届を上司に提出する
退職日が正式に決まったら退職届を作成して提出します。
職場によっては、退職届の書式が決まっている場合もあるため、事前に上司に確認しましょう。
職場から指定がない場合、パソコンで作成しても問題はありません。
5.業務の引き継ぎ
自分が担当していた業務は、後任者が困らないように余裕を持って丁寧に引き継ぎします。
必要に応じて手順書を作成し「どこまで終わっていて、どこからをお願いしたいか」も明確に伝えるのが大切です。
6.あいさつ回り
お世話になったスタッフや患者さんに感謝の気持ちを込めてあいさつをしましょう。
シフトが合わない場合は事前に会える日にあいさつをしておくと好印象です。
看護師が退職を伝える時の切り出し方と注意点

看護師が退職を伝える時の切り出し方と注意点は以下の通りです。
- 直属の上司に忙しくない時間帯を狙って伝える
- 「退職します」と決定事項としてハッキリ伝える
- 不平不満を退職理由にしない
- 引き止められても退職への固い意思を示す
順番に解説します。
直属の上司に忙しくない時間帯を狙って伝える
退職の意思は直属の上司(病棟なら看護師長)に伝えるのが基本。
出勤後、朝のうちに「大事な話があるので本日お時間頂けますか?」と事前にアポを取っておくのがおすすめです。
アポを取ることで「忙しいから後で」と流されるのを防ぎます。
退職を切り出す際は、他のスタッフに聞こえない個室や落ち着いた場所が理想的です。
周囲の目を気にせずに話せる環境の方が上司に誠意が伝わりやすく、スムーズに受け入れてもらえる可能性が高まります。
「退職します」と決定事項としてハッキリ報告する
退職を伝えるときは「退職します」と決定事項として言い切るのがポイントです。
曖昧な表現は上司に“まだ迷っている”と受け取られ、引き止められる可能性が高くなります。
以下のような曖昧な表現はよく言ってしまいがちなNG例です。
- 「退職を考えています」
- 「退職したいと思っています」
- 「退職したいです」
引き止めにあいたくないなら上記のような言い方は避けましょう。
どれも退職への迷いが出ているため、説得されて辞められなくなってしまいます。
スムーズに退職するためには、退職は決定していることをアピールするのが大切です。
不平不満を退職理由にしない
退職を伝える時は不平不満を理由にするのは避けましょう。
「人間関係がつらくて…」「看護のやり方が不満で…」のような理由だと、配置転換や業務改善を提案され退職できなくなるためです。
実際どの職場も人手不足のため、管理職は引き止めに全力です。
引き止められないためには、なるべく前向き・引き止められにくい理由にしましょう。
(NG例)「看護師が向いていないから辞めたい…」「夜勤が辛いから辞めたい」
(OK例)「新しい分野にチャレンジしたくて」「家族の都合で働き方を見直すことにしました」
引き止められにくい退職理由については次の項で解説します。
引き止められても退職への固い意思を示す
たとえ引き止められても退職の意思を示すことが大切です。
看護師が退職を切り出したら高確率で引き止めにあいます。
「もう少しだけ頑張ってみない?」「配置を変えるから残ってほしい」と様々な提案をされるでしょう。
だからこそ、退職の意思は最初から一貫して伝えるのが重要です。
曖昧な言い方をすると「まだ気が変わるかも」と思われ、退職できずに長引いてしまう可能性があります。
引き止められた時は「ご期待に添えず申し訳ありませんが、もう決めています」とワンクッションいれると丁寧さと決意が伝わります。
退職を伝えたときに強い引き止めに合わないための対処法

引き止められにくい退職理由を伝える
引き止められにくい理由には以下が挙げられます。
- 引っ越し(パートナーの転勤、地元で働きたい)
- 結婚・出産
- 育児
- 介護
- 体調不良
- キャリアアップ
- 転職先がすでに決まっている
引き止められにくい理由は、ライフイベントや個人の事情、職場がどうにもできない要因というのが共通点です。
結婚・出産といったライフイベント、今後のキャリアを考えた挑戦など、人生の決断は上司としても引き止めにくいもの。
上司といえど他人なので、あなたの人生に責任は持てません。
そのため、上記のような理由なら、無理に引き止められる確率はぐっと減ります。
転職先を決め内定をもらっておく
退職を切り出す前に転職先を決め、内定を貰っておくと引き止められにくくなります。
既に次の職場が決まっているため、退職したいという明確な意思も伝わりやすく、上司も引き止めにくいです。
とはいえ、働きながらの転職活動は忙しくなりがちです。
そんなときは、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
条件に合う職場を探してくれて、履歴書の添削や面接対策までサポートしてくれるため、多忙でも効率よく転職活動できます。
確固たる意思を持っていることをアピールする
上司によっては退職を伝えると高圧的な言葉を浴びせてくる場合もありますが、それでも退職の意思は変わらないことをアピールしましょう。
ブレない意思をみせると相手にも決意が伝わり、無理に引き止められにくくなります。
「新卒から育ててもらったのに恩は感じないの?」
「もう決定なの?せめて次の人が決まるまで働いてくれる?」
「他の職場であなたを採用するところなんてあると思う?」
このような上司の言葉に動揺してしまう方も多いですが、あなたの人生はあなたのもの。
どんな言葉を投げかけられても「それでも退職します」とハッキリ伝えることが大切。
感情的にならず、丁寧に、でもしっかりと意思表示しましょう。
労働基準監督署や退職代行に相談という選択肢もある
まれに退職届を受け取ってくれないケースもあります。
スムーズに辞められない場合は労働基準監督署(以下:労基)や退職代行に相談しましょう。
法律(民法第627条)では「退職の意思は14日前に伝えれば有効」とされており、職場の都合で退職を拒むことはできません。
労基は、状況を聞いてアドバイスをくれたり、違法性があれば職場に対して指導してくれます。
労基は従業員の強い味方です。
退職代行は上司と一切話したくない場合にはおすすめです。
費用はかかりますが全て代行してくれるため精神的な負担を最小限に抑えられるのがメリットです。
個人で解決できない場合は、国の機関や専門サービスも活用できるので安心してください。
円満退職のポイント

引き継ぎは丁寧におこなう
円満退職するためには、自分の担当業務の引継ぎを丁寧におこなうことが大切です。
退職者が出ると、残ったスタッフに業務のしわ寄せが行きます。
そんな中、引き継ぎが雑だと「もう辞めるから後のことなんてどうでもいいんだな」と悪い印象を与えてしまうので注意しましょう。
奨学金の返済がある人は病院側と要相談
お礼奉公中の場合は、退職前に病院側と奨学金の返済について相談する必要があります。
退職時にまとまった金額の返済を求められる可能性があるためです。
返済金額や、一括か分割か、勤務期間による免除はあるのか、といった条件は病院によっても異なります。
奨学金制度を利用している場合は、早めに病院側に相談しておきましょう。
退職日までは最大限の力で協力する姿勢を見せる
退職間際こそ、責任を持って仕事に向かう姿勢を見せることが大事です。
「私はもう辞めるからー」といった言動や消極的な態度は、周りから良く思われません。
自分の業務に全力を尽くすのはもちろん、時間に余裕があれば周囲のサポートに回りましょう。
そうすることで気持ちの良い別れに繋がります。
看護師仲間の実体験

事例①|退職を伝えたら「1年前に言って」と拒否された (勤続3年目/20代)
新卒から総合病院で働き3年目。
年度途中に「看護師が向いていないから退職したい」と師長に申し出ました。
けれど「退職できるのは年度末。辞めるなら1年前の4月に言ってくれなきゃ困る」と断られ、辞めさせてもらえませんでした。
しかし同時期に、パワハラを受け悩んでいた同じ病棟の先輩が年度途中でいきなり来なくなりそのまま退職。
後日聞いた話によると、労基に相談の上、電話を録音しながら退職を申し出たそう。電話口で上司に録音している旨を伝えると、あっさり辞められたとのこと。
職場や上司の対応は本当にまちまちですが、労基への相談で道がひらけるケースもあるという実例です。
事例②|美容脱毛クリニックで繁忙期を避けた提案をしたらスムーズに退職 (勤続2年目/20代)
年度途中でしたが繁忙期(夏場)を避けて退職を提案しました。
美容は看護師の回転が早いからか、スムーズに退職できました。
退職理由は「もっとやりがいのある職場で働きたいから」と前向きなものでした。
美容業界は看護師の入れ替わりが多いためか、比較的柔軟な対応をしてくれた事例です。
事例③|不妊治療を理由に退職。気持ちを正直に伝えて円満に (勤続2年目/30代)
老健で勤務し2年目。
人手不足の職場だったため、退職を伝えると最初は引き止められました。
でも「不妊治療で定期的に突然休みを頂くことになるので迷惑をかけてしまう」と伝えたら、上司も納得してくれました。
子どもを諦めたくない気持ちも、丁寧に正直に伝えたら、円満退職に繋がった事例です。
看護師の退職についてのよくある質問

看護師を辞めたいけど伝えるタイミングは1ヶ月前でも大丈夫?
1ヶ月前でも退職はできますが、職場のルールを確認してから伝えるのがベストです。
法律上(民法第627条)は退職の意思は2週間前に伝えれば有効とされています。
とはいえ、看護師はシフト調整や人員確保に時間がかかるため、急な退職はトラブルの元になります。
そのため、円満退職を目指すなら就業規則にかかれている「退職は◯か月前に申し出る」というルールに従うのが無難です。
看護師は年度途中でも退職できる?
看護師は年度途中でも退職できます。
法律上(民法第627条)は退職の意思を2週間前に伝えれば問題ありません。
民法第627条に基づき、労働者は退職の意思を自由に表明できる権利があります。
ただし、医療現場は人手不足でシフト調整などが必要なので、円満に辞めたいのであれば職場の就業規則に従いましょう。
看護師の退職時は次の職場は決めておくべき?
看護師の退職時は次の職場を決めておくのがおすすめです。
理由は、退職を切り出した時に引き止められにくくなるためです。
転職先から内定が出ていれば「もう退職は決定している」と伝えられるので、引き止められそうになってもブレずに意思表示できます。
その結果、スムーズな退職に繋がります。
まとめ|【看護師退職】3ヶ月前に伝えよう!
看護師が退職するためには、3ヶ月前までに退職の意思を伝えるのが目安です。
円満退職するためには、年度末など職場に迷惑がかかりにくい時期を選ぶとスムーズです。
退職を切り出す時は、上司が忙しくない時間を狙い、「退職します」と決定事項として伝えるのがポイント。
不平不満を理由にせず、引き止めにくい退職理由を用意しておくのも大切です。
転職先から内定をもらっておくと、固い決意が伝え有りやすく引き止められにくくなります。
働きながら転職先を探すのが不安な場合は、転職エージェントを活用するのも一つの手です。
退職後の不安を減らし、自分にあった職場を見つけやすくなるので、ぜひ活用してみてください。